他人から認められない、それなら伝え方を変えよう - 書評 - 伝え方が9割
誰にでもある悩み。
友人に意見を聞いてもらえない、社内で自分の希望がなかなか通らない、クライアントに対して今ひとつ商材のメリットが刺さらない、女の子をデートに誘っても返信すらない、、、
など、他人と関わるコミュニケーションの部分で、上手くいかないことは誰にでも経験があるだろう。また、同時に、
仕事を部下に依頼する、クライアントに対してプレゼンする、日常的に取引先に業務依頼のメール連絡をする
このように他人に対して何かしらのお願いごとや、依頼、交渉を行うことも日常的にあるはず。引き合いに出した例は、自分自身全て経験があるし、それは悩みとしても常に頭の何処かには存在した。
これら全ての事柄にはコトバが仲介しており、コトバの扱い方を変えることで結果を変える。その手法がシンプルで深く、とても実用的に書かれている。
第1章 伝え方にも技術があった!
―なぜ同じ内容なのに、伝え方で「イエス」「ノー」が変わるのか?(確率0%を、アリに変える!
―すべてのことで可能性が増えれば、人生は変わる 大切だとわかっているのに、誰も鍛えていない「伝え方」
―学校では教えてくれなかったこと。でも手に入れると人生の決めどころでスマッシュを打てる 伝えることが苦手だった私
―コミュニケーションで悩み抜き、結果として突破に至るまでの道のり ほか)
第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術
―あなたがこれからする頼みごとに「イエス!」をもらう具体的な技術(コトバは「思いつく」のではなく「つくる」ことができる
―誰にでもつくれる方法がある。一般公開されていなかっただけ
結果を変える「お願い」コトバのつくり方
「イエス」に変える3つのステップ ほか)
第3章 「強いコトバ」をつくる技術
―感動スピーチも、映画の名セリフも、こうやればつくれる(誰にでも、強いコトバはつくれる
―例えば、感動するコトバはつくれるのでしょうか?世の中の情報量は、10年で約530倍になった
―感動のないコトバは無視される時代
同じ内容なのに強いコトバと弱いコトバがある ほか)
筆者の佐々木圭一さんは博報堂出身のコピーライターであり、コトバを扱うプロ。テクニカルな部分を簡単な例題を用いてわかりやすく解説している。
最も大切なことは言葉と気持ちを一致させること
最も重要な部分は相手に物事を伝える際のマインドセットをも含めて解説されている点だ。
自分の頭の中をそのままコトバにしない
相手の頭の中を想像する
「お願い」は相手との共作だ
正直、耳が痛い。
仕事でも即断即決が求められており、スピートが価値になる。他人の気持ちや、都合を考えた上で誰かにコトバを伝えられているだろうか。納期に追われ、無茶な依頼や厳しいコトバで伝えざるおえない部分も多々ある。本書ではコピーの作り方と同時にコミュニケーションの取り方や考え方まで整理することが可能だ。
結果は変えることが出来る。それは伝え方次第。伝える前にまず立ち止まり、相手のことを考えよう。その上で、伝えるプロセスを実行すれば、結果はおのずと変わるはず。
相手に刺さるコトバは広告マンだけでなく、依頼事を多くかかえたビジネスマンのものでもあるだろう。普段、企画書や端的な説明資料を作成しているビジネスマンにも、コピーライターならではのコトバの作り方は役に立つ。